空へと積み上がる、今治だけの伝統「継ぎ獅子」
人の肩の上に人が立ち、その上にさらに人が立つ――。
そんな光景を目の前で見たことはありますか?
今治には、300年以上もの間、地域の人々によって受け継がれてきた伝統芸能があります。
それが 「継ぎ獅子(つぎじし)」 です。
人と人が支え合いながら高く積み上がり、最上段では獅子頭をかぶった子ども「獅子児(ししこ)」が華麗に舞う姿は、全国でも珍しい今治ならではの文化。
迫力と美しさが一体となったその演舞は、初めて見る人の心を一瞬で惹きつけます。

空へと伸びる、圧巻の演舞
継ぎ獅子最大の見どころは、人の肩の上へ次々と人が立ち、空へ向かって塔を築いていく姿です。
一段、また一段と高く積み上がる様子は、まさに圧巻。
「三継ぎ」「四継ぎ」、そして地域によっては五継ぎまで組み上げられることもあり、その高さと迫力に思わず息をのみます。
最上段で舞う獅子児は、小さな体で堂々と演舞を披露。
かわいらしさと勇ましさが重なり合う姿は、継ぎ獅子ならではの大きな魅力です。


300年以上受け継がれる、地域の誇り

継ぎ獅子は、江戸時代から約300年以上続く伝統行事です。
五穀豊穣や家内安全、地域の繁栄を願い、神社の秋祭りなどで奉納されてきました。
太鼓や笛の音色に合わせて演舞が始まり、「ドン、ドドン」と響く力強いリズムとともに、人の塔がゆっくりと空へ向かって伸びていきます。
まるで神様へ想いを届けるかのようなその姿は、多くの人を魅了し続けています。
その歴史と文化的価値が認められ、平成12年には愛媛県指定無形民俗文化財にも指定されています。
一段一段に込められた信頼と絆
継ぎ獅子は、一人では決して完成しません。
土台となる人、その上に立つ人、支える人。
ほんの少しの体勢の乱れが全体のバランスを崩してしまうため、全員が息を合わせることが欠かせません。
そのため、地域では子どもから大人まで世代を超えて練習を重ね、本番へ向けて準備を続けています。
積み重なっているのは人だけではありません。
そこには、地域の絆や信頼、そして「この伝統を未来へつなげたい」という想いが積み重なっています。

おんまくでしか味わえない感動
おんまくでは、各地区の獅子連が集まり、それぞれの伝統や個性を生かした演舞を披露します。
高さや技だけでなく、演舞の流れや掛け声、太鼓のリズム、獅子児の舞い方など、獅子連ごとに異なる魅力があるのも見どころです。
写真や映像では伝わりきらない、人の塔が目の前で立ち上がる瞬間の緊張感。
そして完成した瞬間に会場から沸き起こる大きな拍手。
その場でしか味わえない感動があります。

おんまく祭り継ぎ獅子連競演場所のご案内
8月8日(土)18:20~19:10

- 桜井浜獅子保存会
- 九王獅子連
- 波止浜獅子連中
- 阿方獅子舞保存会
- 古谷多伎獅子保存会
- 野間獅子連中
- 波方青年獅子連中
- 矢矧獅子保存会
- 高部獅子舞保存会
- 脇獅子連中
- 小部獅子保存会
- 宅間獅子連中
- 鳥生獅子連中
- 杣田獅子舞保存会
- 矢田獅子保存会
- 延喜獅子舞保存会
- 樋口獅子舞保存会
- 神宮獅子舞保存会
見上げた先にある、受け継がれる想い
空へとまっすぐ伸びる人の塔。
その一段一段には、300年以上受け継がれてきた歴史と、地域の人々の努力、そして未来へ伝えたいという想いが込められています。
初めて見る人は、その迫力に驚き、何度も見ている人は、その奥深さに魅了される。
それが継ぎ獅子です。
この季節、この場所だからこそ出会える今治の伝統文化。
ぜひおんまくの会場で、空へと積み上がる感動を体感してください。


